森とうです。こんにちは。千葉県柏市で結婚相談所を経営しています。
最近のSNS(Youtube、X(旧ツイッター))を見ていると、「婚活は合理的に」「結婚は契約」「相手選びは生産性」といったビジネス用語が飛び交い、結婚相手選びまで効率至上主義になっている風潮を感じます。
そしてそのような流れから「35歳を過ぎたら婚活は不可能」といった過激な主張も目立つようになっています。
確かに婚活にはタイミングや年齢の影響はあります。現実問題として婚活は20代や30代前半で始めたほうがスムーズに進みやすいのは事実です。
しかし、それを「35歳を過ぎたらムリ」と断定したり、婚活を数字や生産性だけで語るにはあまりに乱暴すぎます。
婚活情報は玉石混合 SNSの発信はさらに玉石混合
SNSは便利な情報源です。しかし婚活に関する発信は玉石混合です。フェイスブックのように実名を開示したうえでの発信ならいざ知らず、匿名者の発信は「匿名ならではの無責任」にもかかわらず、フォロワー数が多いというだけでハロー効果の誤用に惑われる方も多いです。
ハロー効果
ある特徴(フォロワー数が多い、発信が鋭い)によって全体の評価が左右される心理現象。
Xでは匿名アカウントでもフォロワー数が多いと「信頼できる」と錯覚し、無責任な発言が拡散されやすくなる。
特に婚活情報の中には、「合理的な婚活こそ正解」「35歳を過ぎたらは結婚はムリ」など強烈な言葉で婚活者を煽るものも少なくありません。
これらの発信は婚活者の考えに影響を与え、「結婚は効率、条件がすべて」と思いこませてしまうことに危機感すら感じています。
確かに婚活は条件や効率を考えたほうがスムーズに進む部分もあります。しかし結婚生活において、本当に大切なのは「この人となら、支えあって生きていける」という情の部分です。
結婚相手は「N=1」ではない
ビジネスの世界では「人」は人的資産N=1。つまり「会社のコマの1つ」です。パフォーマンスが落ちれば交代要員が入る代替可能な存在です。
でも、結婚は違います。夫婦は補欠のいない草野球チームのようなもの。あなたのパートナーは誰かと簡単に入れ替えが利く存在ではなく、かけがえのない相手です。
婚活では条件や効率も確かに大切です。でも、いざ結婚生活が始まるとそこに必要なのは支えあう気持ちではないでしょうか。
条件で完璧な相手を選んだからといって、困難が訪れた時にお互いを助け合えるとは限りません。
ビジネスライクな夫婦は続かない
近年のSNS上の婚活論には「夫婦は契約関係だから合理的に考えるべき」といった考え方が見受けられます。一見スマートに聞こえますが、いざ現実の結婚生活ではどうでしょうか。
夫や妻が病気になった時、仕事を辞めざるを得なくなった時、子育てや介護で予想外の負担がかかった時、こうした局面で契約や効率だけで夫婦関係を続けられるでしょうか。
私は結婚生活は30年近くになりますが、結婚は「利害の一致だけでは成り立たない」と思います。
そして情が育たない関係はどこかのタイミングで崩れます。
婚活は早い方がいいのは確かだけど…
「婚活サポート=成婚を目指す」相談所の機能としては「婚活は早く始めたほうが成果を生みやすい」は事実です。
ただ、人それぞれ事情があり、婚活を始めたくても始められなかった方、婚活を始めるのが「たまたま35歳以降になってしまった」という方もいます。
そのような方達に「もう無理ですよ」といった発言は婚活に希望を持ちたい方達にとって、あまりに乱暴で傷つけるものです。
婚活を焦ることと、不安を煽られることは別です。
もしSNS上で飛び交う極端な発言に振り回されてしまいそうになったら、一度立ち止まって考えてみて下さい。
まとめ「SNSの婚活情報との正しい向き合い方」
「優しい人」方の発信は「結婚生活に優しさ」の提案があります。
「キツそうな人」の発信は「結婚生活にキツさ」がはらみます。まとめとして下記を提案します。
- SNSの婚活情報は玉石混合
- 過激な発信に振り回されず「自分スタイル」を見極めること
- 結婚相手選びに「効率」や「生産性」だけではうまくいかないこと
- 婚活こそ「情」「優しさ」の感覚を忘れないこと
SNSの良くも悪くも様々な影響が実社会よりも強くなりつつある昨今において、婚活を進めていく方が、情報に惑わされず、「ケッコンとは」という真価を考えながら、自分に合ったパートナーを見つけられるよう願っています。