こんにちは、森とうです。千葉県柏市で結婚相談所を経営しています。
今回は、「女性の年収は公開すべき?」というテーマを、最新のIBJ成婚白書とSNSのリアルな声を踏まえ、改めて整理してみたいと思います。
実はこのテーマは昨年も解説しています。当時から反響の大きかった「女性の年収」を再構成するかたちで、今回はさらにアップデートしていきます。

年収公開の女性は「成婚しやすさ2倍」
最新版であるIBJ成婚白書2024年度版によると、年収を公開している女性の成婚率は46.1%。非公開の女性は24.0%。約2倍近い差が出ています。

これは「高収入だから公開できるのよ」と考える方もいるかもしれません。しかし、成婚白書によるとー
「2024年の傾向として、女性の年収に応じた成婚率の差はほとんどみられない」
(2024年度版IBJ成婚白書P24から引用)
ーとあります。
では、男性はどこに「好感」を持つか。
それは「自己開示の姿勢」と「結婚生活への現実的な姿勢」。
男性は「現実的に生活を一緒に築けるか」を見極めるための一端として、女性の年収を手がかりにするのです。
SNSでも「非公開は不信感につながる」という声が多数
SNS上の婚活アカウントの投稿やコメントを見ていても、次のようなコメントはしばしばみられます。

女性が年収を非公開にしていると、なんとなく不信感がある



共働き前提で考えているので情報が少ないと不安だな
そして、「年収が低くても正直に公開してくれているほうが信頼できる」「開示の姿勢が誠実」といった意見もあり、金額以上に“伝えようとする姿勢”が信頼感につながっていることが分かります。
実際に男性からの申し込み数やお見合いお見合いも約2倍にもなっています。


年収公開は「結婚の覚悟」を伝えるサインになる
プロフィールに年収を記載することは、「私は現実を共有する覚悟があります」というサインにもなると思います。
実際、弊社の女性会員の方達は約9割が年収を公開されています。
これは、私が「年収公開は金額の高低ではなく、社会に対して責任を果たしているかという姿勢を男性に伝えられる」とお伝えしているからです。
また、私自身は「男性は年収を公開して当然なのに、女性は非公開でもよい」とする流れに、少し違和感を抱いています。
それはどこか、「女は若さや見た目」という旧来的な価値観を温存してしまう構造にも見えるからです。
令和の婚活こそ、お互いが対等な関係を築いていく第一歩。
だからこそ、プロフィールも「対等に開示していく姿勢」が、お互いの信頼を育む土台になるのではないでしょうか。


職業別データが示す「成婚しやすい職業」
最新の「IBJ成婚白書2024年度版」には、女性の職業別成婚率も掲載されています。


成婚率が高かったのは:
- 介護・福祉関連職(38.4%)
- IT関連職(37.3%)
- 薬剤師(36.8%)
一方で成婚率が低かったのは:
- 家事手伝い(15.7%)
- 定年退職(9.5%)
この差は、年収の高低というより「定職を持っているか」という点でまず評価されているようです。
高年収女性は避けられる?はもう昔の話
「高年収だから婚活が難しいのでは」という不安もよく聞きますが、それはもう昔話のような感があります。
今はむしろ、高年収女性が同じように努力してきた男性と出会い、対等な関係を築いて成婚していくケースも非常に増えています。
薬剤師や医師、公認会計士などの一般的に高学歴・高年収と言われる職業が成婚率30%を超える一方で、家事手伝いや定職を持たない場合は成婚率が低い傾向になります。このことから女性においても経済的な自立が需要視されていることが窺えます。
(2024年度版成婚白書から引用)
ただし、もし「ハイスぺ女子」が結婚しにくい状況があるとすれば、婚活の場でも真剣な仕事モードが抜けず「近寄りがたい印象」を与えてしまうことがあるのかもしれません。
その点も踏まえ、男女ともに「年収」の額そのものではなく婚活成婚の秘訣は雰囲気やコミュニケーションの柔らかさは大きなポイントとも言えます。
20代女性こそ年収を開示すべき理由
女性は同世代婚を希望する方が非常に多いです。20代女性も例外ではありません。しかし、20代男性の多くはまだ年収が発展途上の段階にあります。
そのため、20代女性が「私の年収はまだ低いから‥」と遠慮して年収非公開にしていると、同世代の男性ほど「生活設計がたたない」といった誤解を生みやすく、申し込みのチャンスを逃してしまうことがあります。
たとえ年収が高くなくても、きちんと開示することで同世代男性にとっては「一緒にがんばろう」という流れになることはとても多いです。


「残業代込み」など実態以上の年収表記はNG
「残業代を含めた最高値」で表記する方がいるようです。しかし、これは悪手。
交際が進んだ際に実際の金額を伝えると「「他にも何か隠しているのでは?」という印象を与えてしまい、決して良い印象になりません。
婚活現場では、プロフィールの年収は源泉徴収票に基づいた金額を表記するのがルールです。
ただし、その年に限って残業代が非常に多く、例年とかけ離れた金額になり、翌年のプレッシャーになるようであれば、所属する相談所に相談して調整することも可能です。無理のない範囲で、正確かつ誠実な表記を心がけましょう。
年収はあくまで“補足情報”だけれど
もちろん、年収公開・非公開だけで成婚が決まるわけではありません。
ですが、「情報を開示する姿勢」が男性に伝えやすい点では非常に重要です。
「正直」が信頼につながるという現実は、成婚白書のデータにもSNSの声にも表れています。



男性は「事実」「データ」を女性が想像する以上に重視します。
まとめ
- 年収を公開している女性は、非公開の約2倍成婚しやすい
- SNSでも“公開=信頼・誠実”という声が多い
- 職業別データでも「責任ある仕事に就いている女性」が評価されている
- 高年収女性も今は歓迎される時代に。大切なのは印象や姿勢
- 非公開は誤解を招く場合もあり、同世代との縁を逃すこともある
- 残業代込みの表記や誇張は、交際終了のリスクになる
女性の年収公開の流れは日本の社会不安も踏まえ、なにより「女は見た目と年齢」という旧体制の風潮に戻らないためにも、必然になっていくように思います。
プロフィールはただ項目を埋めればよい、というものではなく、戦略性が非常に重要です。
年収公開の項目を機に、自分らしさを大切にしながら、前向きに婚活を進められるよう、あらためて「ご自身のプロフィール」を再確認してみて下さい。
これからも成婚白書や実際のデータ、そして現場の経験をもとに、丁寧にお手伝いしていきます。
また、弊社は2025年5月下旬から新サービスに移行します。
こうした情報整理や価値観の言語化をより深く支援する初回セッションもご用意していますので、ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。