こんにちは、森とうです。千葉県柏市で結婚相談所を運営しています。
婚活中の方からよくいただく質問の一つに、次の内容があります。
「結婚相手は、見た目、それとも人柄?結局どちらでしょうか?」
このご質問は、いろいろな声がありますが、それゆえ、婚活者の方達が「いざ、自分事」になると行き詰まりやすい部分でもあります。
今日はこのテーマを、結婚相談所の視点から解説します。参考にしてください。
「人柄を見て選べ」は、実はすごく難しい
ある30代男性との面談との会話です。
「既婚の友人から「結婚は人柄だぞ」と言われたんです…
確かにその言葉はよく聞くし、頭では納得するのですが、婚活ではどうやって「人柄」を見抜けばいいのでしょうか。

たしかに、IBJの交際期間ルールは原則3カ月、延長しても最長6カ月。
この限られた期間で「人柄だけを基準に」選ぶのは、現実的には難しい部分があります。
「顔で選ぶ」ことに、罪悪感を持たなくていい
「結局、見た目で選んでもいいのでしょうか?」
彼は少し遠慮がちに聞いてきましたが、私はこう答えました。
「顔で選ぶこと自体は自然なことです。
ただし、『顔』の何を見ているか、が大切ではないでしょうか」
たとえば、目がパッチリ、鼻がスラっと‥というような造形的な美しさに惹かれるのか。
または笑顔が素敵、まなざしが優しいといった顔全体から漂う雰囲気や表情、柔らかさに惹かれるのか。
後者であれば、それは見た目の判断ポイントが「人相」
人相は人柄がにじみ出ているところ。人相を理解する人は、人の内面の心持ちに意識を向けられています。
「人柄」は、段階的に見えてくる
私の考えでは、相手の人柄を理解するということはを段階的に見えてくるものだと思っています。
たとえば、婚活の出会いの中でこんなプロセスを踏んでいる方が多く見られます。
- 見た目から「好感」が生まれる
(写真・プロフィール) - 会話や共通点から「共感」を感じる
(趣味・話し方・話題) - やり取りや反応に「実感」が伴う
(行動・返答・気遣い) - その先に「人柄の一面」が理解できる

この流れは、教育心理学や営業分野の「信頼構築モデル」とも共通していて、私自身も、実際の成婚者カップルの交際過程を見ていてよく感じる部分です。
成婚データが示す「人柄に向き合う婚活」
IBJが毎年発表している『成婚白書』によれば、成婚カップルの交際期間の中央値は「約4カ月」。ここ数年、この数字はほとんど変わっていません。
これは、IBJの交際期間のルールに沿っているという側面もありますが、より本質的には交際初期から「人柄にしっかりと向き合う姿勢」があることの証でもあります。

単に「かわいい」「イケメン」といった恋愛目線だけでは、結婚生活へのすり合わせはもちろんのこと、親御様へのご挨拶(親紹介)のレベルには到底、到達できないのです。
反対に、「会話の中で価値観が近いことに気づけた」「話すたびに安心感を感じるようになった」という積み重ねを築ける交際ほど、着実に成婚につながっています。

「奇跡の一枚」からの転換
結婚相談所が今のようにデジタル化する前、業界の中では
プロフィールには“奇跡の写真”を使え!とにかくまずお見合い成立だ!
たとえリアルと写真が違っても、とにかく「会わせてからが勝負」という発想です。
けれども、そうした姿勢が結果的に誤解や期待のズレを生み、初対面の場での「落差」や「がっかり感」につながっていたのも事実です。
今の婚活は、そうした「戦略的な誇張」ではなく、「その人らしさ」が伝わる等身大の写真が重視されるようになっています。
写真を整えること自体は悪くありません。
ただ、加工のしすぎや表情の作りすぎは、相手に「違和感」や「不安感」を与え、「会ってがっかり」になる、という諸刃の剣であることも忘れずに。
「塩っ気のないおにぎり」だった私
若い頃、友人にこんなふうに言われたことがあります。
「もっと塩が効いていればいいのにね」
どうやら私は、「塩っけの効いていないおにぎり=ぼんやりした顔」だったようです(笑)。
当時は妙な言われ方をするもんだ、ぐらいにしか思いませんでしたが、今、思い返すと、顔は、日々の意識や積み重ねが反映されるものなのだと半ば反省しています。

まとめ:婚活は見た目の「奥」にある人柄を見ようとする人が、成功に近づく
婚活では、「見た目で選んでいいのか」「やっぱり人柄が大事なのか」と悩むことがあるかもしれません。
けれど実際は、見た目で好感を持つことも自然な流れですし、そこをきっかけに関係が始まることも多いのです。
大切なのは、その“見た目の奥”にあるものに、ちゃんと目を向けようとすること。
表情やふるまい、言葉づかいににじみ出る“人柄”を見ようとする人ほど、信頼関係を築き、結婚というゴールに着実に近づいていく傾向があります。
見た目か人柄か、の二者択一ではなく、見た目を入口に、そこから人柄を感じ取ろうとする視点。
この感覚がある人が、確実に“選ばれる側”にもなれるように感じます。